そよかぜ日和 / 百合草尚子

そよかぜ日和 / 百合草尚子

販売価格: 1,944円(税込)

数量:
22.5cm×15.5cm 56P
限定300部

名古屋出身、現在は神奈川を拠点に活動するアーティスト、百合草尚子の作品集。ドローイング作品とインスタレーション作品の写真からなる家型の作品集の2部構成。表紙は活版印刷。

ON READINGの出版レーベル、ELVIS PRESSよりリリース。

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まじり気のない澄んだ色合いと、いきいきとした鉛筆の線。開かれた窓の向こうをのぞむように、風にそよぐ緑が広がる。

百合草尚子は、日ごろ目にしたものや、印象に残った出来事、またそこから思い浮かべられたイメージの断片を、思いつくままドローイングとして日記的に描き留めている。「心の中に貯金しておく」 という、散歩の途中で見つけたきれいな景色、気になった物事が、ときに顔のついたブロッコリーやアスパラ、クマやウサギなどの擬人化された植物や動物たちとともに、不思議なひとつの風景となって、伸びやかに表されていく。

それは自由で楽しくて、かわいらしく、そしてちょっとおかしな世界。読み解こうとすれば不可解で、しばしば見る人を戸惑わせる。しかし、画面にただよう澄みやかな空気と、ほがらかな風が、私たちのありきたりの想像力をするりとかわすようにして、まるで子どもの頃に描いた絵を見るような素朴な楽しさをもたらしてくれる。

好んで用いられる家型のシェイプド・キャンバスは、家から外をながめているようでいて、反対に家の中をのぞいているようにも、あるいは向こうの景色が透けているようにも捉えられ、いくつもの場面を思い起こさせる。彼女の素直なまなざしは、画面の内と外とを自由に行き来しながら、物語をかろやかにつむいでいく。

風景とは自分という窓から見た出来事。その窓は、内にも外にも開いている。ページをめくるたび、そよ風に心がふわりと広がる。

----- 山口美智留 (GALLERY CAPTION)


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