旅する練習 / 乗代雄介
旅する練習 / 乗代雄介
販売価格: 1,705円(税込)
商品詳細
19cm×13cm 178P
乗代雄介による、第34回三島由紀夫賞を受賞した「歩く・書く・蹴る」ロード・ノベルの傑作。
中学入学を前にしたサッカー少女と、小説家の叔父。2020年春、ふたりは千葉の我孫子から鹿島アントラーズの本拠地を目指す徒歩の旅に出る。
ちょうど一年前の春が舞台。作中のふたりは、コロナ禍にありながらどこか緊張感がないまま(3月は、そうだった)、鳥を眺めたりボールを蹴りながら川沿いを歩いていく。
時折、小説家である「私」は目の前の風景を文章で描写し、その間サッカー少女の亜美はリフティングをする。これはいわば、“練習の旅”でもあるのだ。途中から大学生のみどりも旅に加わって、互いに影響を与えあいながら進む、三人の短いけれど決定的な春休み。
かつてこの地のことを書き残した志賀直哉や柳田國男、田山花袋の文章、ジーコやメッシの言葉が景色や出来事から呼び起こされていく。書き残すこと、それが思い出されること。忍耐を持って、鍛錬をすること。できないことをやってみること。「本当に大切なこと」に自分を合わせて生きること。
「私」の淡々とした文章のなかでも、亜美とみどりの姿が眩しくて、読後は苦しいほど。これから先、何度でも思い出すだろうと思います。
乗代雄介による、第34回三島由紀夫賞を受賞した「歩く・書く・蹴る」ロード・ノベルの傑作。
中学入学を前にしたサッカー少女と、小説家の叔父。2020年春、ふたりは千葉の我孫子から鹿島アントラーズの本拠地を目指す徒歩の旅に出る。
ちょうど一年前の春が舞台。作中のふたりは、コロナ禍にありながらどこか緊張感がないまま(3月は、そうだった)、鳥を眺めたりボールを蹴りながら川沿いを歩いていく。
時折、小説家である「私」は目の前の風景を文章で描写し、その間サッカー少女の亜美はリフティングをする。これはいわば、“練習の旅”でもあるのだ。途中から大学生のみどりも旅に加わって、互いに影響を与えあいながら進む、三人の短いけれど決定的な春休み。
かつてこの地のことを書き残した志賀直哉や柳田國男、田山花袋の文章、ジーコやメッシの言葉が景色や出来事から呼び起こされていく。書き残すこと、それが思い出されること。忍耐を持って、鍛錬をすること。できないことをやってみること。「本当に大切なこと」に自分を合わせて生きること。
「私」の淡々とした文章のなかでも、亜美とみどりの姿が眩しくて、読後は苦しいほど。これから先、何度でも思い出すだろうと思います。