『木村伊兵衛 中国の旅』復刻版

商品詳細

25cm×24cm 236P


「ライカの神様」「日本のブレッソン」と称され、日本の写真界を牽引していた写真家、木村伊兵衛の死後二か月後に発表された最後の写真集『木村伊兵衛 中国の旅』。長らく絶版状態が続き、古書市場でも高値が付いていた本作が、生誕120年を記念して待望の復刊となりました。


日本撮影家協会の初代会長だった木村伊兵衛は、1956年に川端康成、谷崎潤一郎、梅原龍三郎などとともに日中文化交流協会を設立。以来、日中友好に尽力し、訪中撮影団の代表として1963年、1964年、1965年、1971年、1973年の計5回中国を訪れ、北京、上海、蘇州、杭州、広州、長沙、西安、延安、洛陽などで撮影しています。

毛沢東時代にあたるこの時期の写真というと、文化大革命における階級闘争の様子など暴力的な記録写真をよく目にしますが、同じ時期に人々が普通に生活する日々を捉えた木村伊兵衛の写真は、自然で無作為なもう⼀つの中国の姿をリアルに写し出しています。同時に、晩年まで変わることのなかった木村伊兵衛ならではの作風を、じっくり鑑賞できる内容にもなっています。

復刻版の監修を担当したのは、木村伊兵衛の弟子としても知られ、写真家で初めて文化勲章を受賞した田沼武能氏。また原版のデザインを手がけたグラフィックデザインの巨匠、原弘による表紙の力強いフォントは、そのまま活かした装丁になっています。