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OXYMORES / Philippe Weisbecker
商品詳細
再入荷しました。
パリ、ニューヨーク、バルセロナを拠点に活動。日常生活の中にある誰も気にとめない品々の簡素な美しさに注目し、鉛筆や定規を用い、独特のフォルムで描く、アーティスト、イラストレーターのフィリップ・ワイズベッカーの作品集。
作者による新作の16点のジプチカ(ディプティック / 蝋板本 ※註)がまとめられている。抽象的だが、時には識別ができる形も交えたドローイングと、正確でありながら、殴り描きのようにも見える絵画を対の一組として紹介している。質量や色と戯れることにより、作者が常に求め続けている純粋さへと進化してゆく。その作品は、描かれた主題の本質を探るものである。
作者のなぞった線は明白に形を描き、ほとんど設計図や図式のような表現と化する。しかし、このシンプルさが心を動かす。どこか冷たくよそよそしいというより、それどころか作者の視点はむしろその描く物体たちに限りなく近づいてゆく。誰かのキッチン、名も無い通り、ローカルな金物店の棚など、最も普通であり、ごくありふれた現実を誠実に描き写すその様に、心づかいや謙虚さ、そして喜びが感じられるのである。
タイトル「OXYMORE(オキシモール)」は、互いに矛盾していると考えられる複数の表現を組み合わせた表現を指す。
※註 木や象牙で作った小さな板の表面を蝋をかぶせ、スタイラス(尖筆)という先の尖った棒状の筆記用具で蝋をひっかいて書く書写材 / 書字版(タブレット)。ローマ人が発明したものであり、ノートやメモ帳として18世紀末までヨーロッパで使われた。
Philippe Weisbecker フィリップ・ワイズベッカー
1942 年生まれ。フランス国立高等装飾美術学校(パリ)卒業。1968 年ニューヨークに移住。アメリカの広告やエディトリアルのイラストレーションを数多く手がけながら、 アートワークも制作。2006 年フランスに帰国。現在はパリを拠点に活動し、欧米や日本で作品の発表を続けている。2002 年アンスティチュ・フランセ日本が運営するアーティスト・イン・レジデンス、ヴィラ九条山(京都)で4 か月間滞在制作。日本での作品発表も多く、2000 年クリエイションギャラリー G8 での初個展を皮切りに、2021 年公益財団法人 竹中大工道具館、2022 年ATELIER MUJI GINZA での個展など多数開催。東京オリンピック2020 の公式アートポスターも手がけた。広告の仕事も多く、JAGDA、NYADC、東京ADC など、国内外で受賞。作品集に『Philippe Weisbecker Works in Progress』( パイ・インターナショナル刊)、『HAND TOOLS』(888 ブックス刊)などがある。
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