PUBLIC MATTERS / Janet Delaney

PUBLIC MATTERS / Janet Delaney

販売価格: 6,480円(税込)

数量:
29cm×23cm 120P


カリフォルニア州バークレーを拠点とするフォトグラファー、ジャネット・デラニー(Janet Delaney)の作品集。

抗議とパレードの精神を捉えたレーガン時代のサンフランシスコの収めた一作。

社会変革の波が押し寄せた80年代半ば、ミッション地区の中の主にラテン系の人が住む一画に住んでいた作者は、メキシコの祝日シンコ・デ・マヨ(Cinco de Mayo / 5月5日の意)に毎年行われるパレードからアメリカのニカラグア侵攻に抗議するデモ行進まで、週末になると様々な集会に足を運び撮影をして過ごしていた。政治的ガバナンスは退行していたとしても、作者の記憶によれば西海岸のこの都市は「常に進歩的な考え方が支持された」場所であったという。

「架け橋を作ろう」というメッセージがこれまでにも増して必要とされる今、多文化の共存や社会正義を求める集団的な戦いを祝した本書への注目が高まっている。強い日差しが照り付ける本作のイメージは、古き良き時代の輝きに満ちている。写し出された群衆の間を私達は作者に導かれ通り抜けていく。デモの参加者やお祭りに来た人達、男装や女装の人もいれば労働組合の活動家や美人コンテストの参加者もいる。ダンサー、セールスマン、母親、子供、マーケットの買い物客など、ありとあらゆる人々が溢れる街中で、作者は集合としての人々の意見や親密な瞬間を次々と見つけていく。写真には突き抜けた明るさと共に、時代の空気感が色濃く反映されている。「人々は保守主義に転じた政府に動揺していた。ベトナム戦争の終結、女性の権利、環境問題、ゲイの権利など、人々が1960年代に要求したことが取り上げられたのは1970年代になってからだった。そしてレーガンが当選すると、何もかもがそれでおしまいになった。」と作者は回想する。「赤ちゃんは愛するためのもの。戦争をさせるために生まれてきたのではない。」「憎しみで恐怖という病を克服することは永遠にできない。それができるのは愛だけ。」など、アメリカが保守化すると同時に街にはプラカードが溢れた。そしてこの大混乱の中で、作者は人々が真剣に向き合っていた問題を作品にしていたのである。