ギター・ブギー・シャッフル / イ・ジン(著)、岡裕美(訳)

ギター・ブギー・シャッフル / イ・ジン(著)、岡裕美(訳)

販売価格: 2,200円(税込)

19cm×13cm  256P


秀林文学賞を受賞した新世代の実力派作家、イ・ジンによる、K-POPのルーツである60年代音楽シーンの熱気と混沌を鮮やかに描いた文学作品。


朝鮮戦争の傷跡が色濃く残る1960年代初頭のソウル。戦争で孤児となった主人公キム・ヒョンの心の友は、米軍のラジオ局から流れてくる最新のポップスだった。どん底の生活を続けていたヒョンは偶然の積み重ねで、憧れの龍山(ヨンサン)米軍基地内のクラブステージにギタリストとして立つことに——。


〈ラジオの電波は人種や国籍を差別しなかったから、駐屯地の住民もアメリカの最新文化の洗礼を惜しみなく享受することができた。ラジオ放送の華はなんといっても流行の大衆音楽、いわゆるポップスだった。
軽快なツイストのリズムに合わせ、いびきも、鼻を突き刺すような足のにおいも、ごきげんなドラムとサックスに追いやられてはるか遠くへ消え去った。一晩中ラジオを聴けることが、どん底のようなタコ部屋の唯一にして最大の長所だった。俺は布団の中でチャビー・チェッカーのように尻を振りながらリズムに乗った。
戦争とともにジャズの時代は終わり、ロックンロールとツイストの時代がやってきた。〉
——本文より