いかれた慕情 / 僕のマリ

いかれた慕情 / 僕のマリ

販売価格: 1,870(税込)

商品詳細

19cm×13cm 224P


一筋縄ではいかない理不尽な客との攻防を綴ったエッセイ集『常識のない喫茶店』で鮮烈なデビューを果たした文筆家、僕のマリが、過去に自主制作で発行していたzineに書き下ろしを加えて書籍化した一冊。

自分があの時感じた息苦しさ、葛藤、悲しみ、偽り、そして救い、溢れ出す感情。でも、その過去があるからこそ、今の自分があるということ。エモーショナルな文体で鮮やかに真っすぐに綴られた言葉からは、書かずにはいられなかった切実さがひしひしと伝わってきます。



秘めながら漏れ出す激情の奔流。

家族にも友人にも本音を言うのが苦手だった。何年生きても薄い関係しか築けないのが、ずっとコンプレックスだった。自分を晒すことにどうしても抵抗があり、踏み込むのも踏み込まれるのも躊躇した。そうやって生きてきたから、誰かの友情や愛情を目の当たりにすると、決まって後ろめたい気持ちになった。冷めたふりして飄々と生きているつもりだったけれど、本当はものすごく寂しかった。
(本文より)