編むことは力──ひび割れた世界のなかで、私たちの生をつなぎあわせる / ロレッタ・ナポリオーニ(著)、佐久間裕美子(訳)

編むことは力──ひび割れた世界のなかで、私たちの生をつなぎあわせる / ロレッタ・ナポリオーニ(著)、佐久間裕美子(訳)

販売価格: 2,970(税込)

商品詳細

19cm×13cm 208P


個人と政治、愛と経済を結びつけ、社会を幾度となく編み直してきたパワーの歴史をたどるノンフィクションエッセイ。

本書では著者自身の個人的なケアの記録と、歴史から見る人類と編み物のつながりが交互に描かれています。

突然、人生の困難に直面した著者は、幼いころから親しんできた編みものに救いを求めました。夢中で手を動かしているうちに思い出されたのは、著者に編み物を教えてくれた祖母の言葉。さらに同じように編み物と共に生きてきたさまざまな人生に触れていきます。

また、アメリカ革命や世界大戦などこれまで社会の転換期に編み物が大きく貢献してきたこと、女性や先住民たちの経済的自立を支えたこと、編み物がフェミニズムや反資本主義、気候変動などさまざまな社会運動のツールであり続けていること、神経科学の視点から見た編み物の効用や、さまざまな商品開発にその技術が生かされていることなど、社会的、文化的営みである編み物について多角的な視点で書かれています。

もしあなたが、「編み物は女性だけが、家のなかですること」とか「趣味的な手芸で、とるにたらないものだ」と思っているとしたら、本書はそのステレオタイプを大きく変えてくれるでしょう。
古代から人類と共にあり、今を生きる技術である編み物。なんでもお金を出して買えてしまう時代に、自らの手を動かしてものをつくるということこそが、自分自身の生活や生きる力を、取り戻すということになるのだと改めて感じさせてくれる一冊です。