色と形のずっと手前で / 長嶋りかこ

色と形のずっと手前で / 長嶋りかこ

販売価格: 2,530(税込)

商品詳細

19cm×13cm 240P

再入荷しました。


環境/美術/福祉/文化等、様々なフィールドで活躍中のグラフィックデザイナー、長嶋りかこが、母親になる経験を通じて見えてきたこと、感じたこと、考えたことを綴ったエッセイ集。

―――

グラフィックデザイナーが母になったら、色と形に辿りつかない日々が始まった。妊娠してお腹が大きくなり、のそのそと歩まねばならぬ体に変化していく中で見えてきたのは、ままならない体と足並みの揃わない社会だった。育児が始まると目の前に立ちはだかる仕事と育児の両立という壁。人々の暮らしと地続きであるはずのデザインの仕事と、目の前の家事育児という暮らしの相性の悪さ。子どもの時間と、仕事の時間。子どもを通して見ている世界と、仕事を通して見えている世界。混沌とした曲線の世界と、秩序だった直線の世界。二つの間で立ち往生しながら見えてきたのは、資本主義のレースと止まらぬ環境破壊とジェンダー不平等が一つの輪をなしている景色。そして子どもが手をひいて連れて行ってくれる、土の匂いがする景色。かつて自分も知っていた、あの曲線の景色。