長電話 / 高橋悠治、坂本龍一

長電話 / 高橋悠治、坂本龍一

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商品詳細

19cm×13cm 225P

1984年に坂本龍一主宰の出版社「本本堂」から最初に出版された、作曲家・ピアニストの高橋悠治と坂本龍一の対話を収録した幻の名著『長電話』が、待望の復刊!

音楽や芸術の枠を軽々と超え、「長電話」という形式で語りあわれた肩の力が抜けた行く先知れずの軽妙な会話は、対談とはまた違った魅力にあふれています。


「遠い島の宿の離れた部屋に閉じ込められて、声だけが聞こえてくる。こんな本はもう作れないし、話す相手ももういない。」
(高橋悠治)


「これは、ぼくと高橋さんとでわざわざ泊まりがけで石垣島に行って、同じ旅館の別々の部屋から長電話するという企画だったんです(笑)。いわば遊びなんですが、それはそれで一種のパフォーマンスの記録ではあります。また、本を出版すること自体をパフォーマンスにするという趣旨でやりはじめたことなので、同じ仕様の本をページに何も印刷しないでつくってみたり、本の表紙を渋谷のパルコの壁一面に貼るというようなこともやったんです。小さなパフォーマンスですね。出版はメディアパフォーマンスだということをやりたかったんです」

最初からそう目論まれた通り、どうでもいい話が延々と続く本書は、本来であれば、ある特定の意味や商品的価値に向けて作動するはずの「対談」というプロセスの形式を逆手に取り、それをどこにも向かわせないことによって、逆に「ランダム・アクセスしかできない」本となった。そして、そうであるがゆえにつまらないかと言えば滅法面白いのだから、プロセスをそのまま記述することで、「完成」に向けて編集を作動させることに抗った坂本さんの編集戦略は、見事にハマったと言える。
(若林恵)



[対話の話題] *一部抜粋
長電話、大好き/電話というメディア/ウォークマン/ブルース/ロックンロール/ヴィジュアルなコンサート/パフォーマンス/目立ちたがり/見守られる不快/夢の時/現代音楽・コンピュータ・未来/時代のファッション/社会の経済的余裕/都合のいい考え/主義主張/武道館で音楽が成立する時代/正義は勝つか/国家か企業か/CM表現/アメリカの桁/仕事の断り方/お金の話