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いなくなっていない父 / 金川晋吾

いなくなっていない父 / 金川晋吾

販売価格: 1,870(税込)

商品詳細

25cm×18cm 172P


写真集『father』(青幻舎)で鮮烈なデビューを果たした気鋭の写真家が、親子という他人を描いたドキュメンタリーノベル。

『father』にて「失踪する父」とされた男は、*その後は失踪していない。*不在の父を撮影する写真家として知られるようになった著者に、「いる父」と向き合うことで何が浮かび上がってくるのか。時に不気味に、時に息苦しく、時にユーモラスに目の前に現れる親子の姿をファインダーとテキストを通して描く。

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その後のことを知っている私には、父のことを「失踪を繰り返す父」と呼ぶのはどうしても過剰なことに思える。私がそう思うのは、「父がやっていることなんてそんなにたいしたことではないんです」と謙遜するような気持ちもあるが、本当のところは、「父という人は、『失踪を繰り返す』という言葉で片づけてしまえるような人ではないのだ」と自慢げに言いたい気持ちのほうが強くある。
――(本文より)