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水のない池 / 今村文

商品詳細

19cm×13cm 44P

花や植物を主なモチーフに、半透明のグラシン紙の上に水彩画の繊細なコラージュを施した作品や、エンコスティックと呼ばれる蜜蝋画の手法を使った作品を制作しているアーティスト、今村文による作品集。

本作は、展覧会「flowing out」(2018、竹の湯/山梨)の展示風景を収録した一冊。
収録されている展示写真は全て貼り付けされています。


―――展覧会に寄せたテキストより

花や蟲には自我がありません。
けれども心はあります。科学的には花にも蟲にも感情は無いのだそうです。感情の無い者に心という存在を立証するのは難しいのかもしれませんが、私はあると感じています。私の思う心は頭蓋骨の中にあるものではないからです。心はどこの中にあるのでもなく、水や大気のように世界を満たいしている。そして私は胸の辺りでそれを感受しているだけだと。誰かに傷つけられた時、誰かを好きになった時、頭ってあんまり働いていないんじゃないでしょうか。喧嘩は拳でするものだし、恋は臓腑でするものだ。なんて。付属品みたいな頭。だから脳脊椎の無い花や蟲にもその器官は備わっていると思うのです。寧ろ自我のない彼らはとても純粋な、心だけの状態なんじゃないか。紫陽花の中で眠る蜘蛛とか、お風呂場で交尾する蛞蝓とか、夕暮れの蚊柱とか、見るとき私は憧れを感じます。私にとって花や蟲は心を感受して光る白熱灯のようなものです。その心の光で、お湯の代わりに銭湯の中を満たせたら、と思います。
(今村文)


今村 文(Fumi Imamura)
1982 愛知県生まれ
2008 金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科絵画専攻油画コース 修了
現在、愛知県在住
https://www.instagram.com/fumi__imamura/?hl=ja