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〈ツイッター〉にとって美とはなにか SNS以後に「書く」ということ / 大谷能生
商品詳細
先鋭的なミュージシャンにして批評家でもある大谷能生による、「ツイッター」(「X」)以降の言葉の在り様を、哲学・日本語学・批評・文学・美学の知見から縦横無尽に論じた言語文化論。
なぜ声をそのまま文字にできないのか?
なぜ炎上は起きてしまうのか?
なぜSNSで熟議は生まれないのか?
吉本隆明の『言語にとって美とはなにか』を礎に、このSNSを美学的に考察する。
―――
ひたすら機能性へと傾けられた「広告」的言葉たちの繁茂は、「ツイッター」から「X」へと名称が変わった一企業のサービスにおいて、現在、空き地を買い占めてビルを建て「ジェントリフィケーション」を推し進めるようなやり方でもって、「疎外」とはまた別の経験をぼくたちの思考に与えているのである。
もはや過去の話になってしまったようにも思うのだが、もしツイッターにおいて「美」というものがあったとするのなら、それは、書くことと話すことのあわいに生まれる、まだ何処へ向かうのか理解不能な極小の表出を、決して単純にこれまでの「指示表出」性の体系には従わせないぞ、という意志に宿るものであっただろう。
(本文より)
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