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お笑いを〈文学〉する〜「笑える/笑えない」を超える / 小田垣有輝
商品詳細
赤坂の本屋・双子のライオン堂で開催した連続講義「笑いを〈文学〉する」の内容をまとめた一冊。
国語教師であり、作家としても活動している小田垣有輝が、2024年に開講した授業を、書籍化に伴い授業だけでは伝えきれなかった熱い思いと独自の論をブラッシュアップして展開します。
<「はじめに」>
なぜ人は、お笑いを観て笑うのでしょうか。
「お笑い」という名称からもわかるように、お笑いはお笑いを鑑賞する者に「笑う」という反応を要請します。小説であれば、もちろん笑える小説もあるし、泣ける小説もあるし、怒りを共有する小説もあるし、漠然としたもやもやを読者に植え付ける小説もあるし、小説を読む者の反応は様々である、ということが「当たり前」となっています。しかし、一般的にお笑いは「笑う」という反応に限定されます。ネタ番組では、観覧の人々はみな笑っているし、その中に泣いたり怒ったりする人はいません。
でも、お笑いを観て「笑う」以外の反応をしたっていいはずです。そうでなければ、「笑えるお笑い=良いお笑い」という評価軸しか存在しないことになります。お笑いの中には「笑えないけど良いお笑い」だって存在します。
本書では、物語論や社会学を媒介にしながら「お笑い」と「文学」の関係を考えていきます。そうすることによって「笑えるか否か」という評価軸とは違う軸が見えてきます。私たちが普段観ているお笑いを違った視点から批評することによって、お笑いが備えている豊かな世界が立ち現れるはずです。(小田垣有輝)
【目次】
はじめに
1、東京03と中島敦『山月記』~トリオネタの魅力/『山月記』って本当に二人?
2、ピン芸人の構造論―「語り」か「噺」か
3、「お笑い」と「コード」ー既存のコードへの「抵抗」と「逸脱」
4、トム・ブラウンをなぜ笑う?―文学史と小川洋子『貴婦人Aの蘇生』をヒントに 5、ランジャタイとラーメンズ―谷崎・芥川の文学論争と比較して
6、ランジャタイとシェイクスピア―文学と「おばけ」の関係 ―ランジャタイとは何か
付録 登場人物紹介&参考文献
おわりに
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