間取りと妄想 / 大竹昭子

間取りと妄想 / 大竹昭子

販売価格: 770円(税込)

数量:
15cm×10cm 224P
初回入荷分:13の間取りを収めた小冊子付き


ノンフィクション、エッセイ、小説、写真評論など幅広い分野で活躍中の大竹昭子が、13の間取り図から妄想を膨らませて紡いだ、身体の内と外が交錯する、ちょっとシュールで静謐な短編小説集。

同棲中であるミワの家は、玄関のドアを開けると二つのドアが現れる。
彼は帰宅すると、ミワのいるリビングに通じるドアではなく、先にもう一方のドアを開くという……(「どちらのドアが先?」)。

三橋葉子は、母の死を機に、叔父が暮らしていた家に移り住んだ。
葉子はその家に住むにあたり、窓がなくドアも見つけにくい小部屋をつくった……
(「仕込み部屋」)。


まず家の間取を決め、次にそこで展開される物語を書いたのは大竹さんが世界初だろう、たぶん。13の間取りと13の物語。
―藤森照信氏(建築家・建築史家)

家の間取りは、心身の間取りに似ている。思わぬ通路があり、隠された部屋があり、不意に視界のひらける場所がある。空間を伸縮させるのは、身近な他者と過ごした時間の積み重ねだ。その時間が、ここではむしろ流れを絶つかのように、静かに点描されている。
―堀江敏幸氏(作家)

川を渡る船のような家。海を見るための部屋。扉が二つある玄関。そっくりの双子が住む、左右対称の家。わくわくするような架空の間取りから、リアルで妖しい物語が立ちのぼる。間取りって、なんて色っぽいんでしょう。
―岸本佐知子氏(翻訳家)