Semicircle Low / 今井智己
23cm×21cm 64P
1000部限定
本作は、写真家、今井智己が2011年4月21日から2012年末までの約20カ月間、福島第一原子力発電所より30km圏内の複数箇所にて原発の方角をフレームの中心に据えるというルールを設け撮影したシリーズ。
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山頂から白くぼやけた点のように建屋が見えることはあっても、その建屋から大量に放出されたものも、20kmと30kmに引かれた線も見えなかった。変化を蒙ったものはなにも見えない。季節が変わっていくだけで。
正当な意味で当事者ではない自分は、なにもしなければ他の多くの惨事と同じようにこの惨事をゆっくりと忘れていくだろうと思っていた。忘れるとは慣れること。車を4時間も飛ばせば着く場所に空白の半円があるということに慣れたくはなかった。
それでもきっと慣れてしまう。忘却のなだらかな坂を下っていくばかりの僕に写真は、自分が見たものだけではなく、見えなかったことを思いださせてくれる。
-今井智己
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1000部限定
本作は、写真家、今井智己が2011年4月21日から2012年末までの約20カ月間、福島第一原子力発電所より30km圏内の複数箇所にて原発の方角をフレームの中心に据えるというルールを設け撮影したシリーズ。
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山頂から白くぼやけた点のように建屋が見えることはあっても、その建屋から大量に放出されたものも、20kmと30kmに引かれた線も見えなかった。変化を蒙ったものはなにも見えない。季節が変わっていくだけで。
正当な意味で当事者ではない自分は、なにもしなければ他の多くの惨事と同じようにこの惨事をゆっくりと忘れていくだろうと思っていた。忘れるとは慣れること。車を4時間も飛ばせば着く場所に空白の半円があるということに慣れたくはなかった。
それでもきっと慣れてしまう。忘却のなだらかな坂を下っていくばかりの僕に写真は、自分が見たものだけではなく、見えなかったことを思いださせてくれる。
-今井智己
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