The Bonin Islanders / 長沢慎一郎

The Bonin Islanders / 長沢慎一郎

販売価格: 7,260円(税込)

数量:
29.7cm×22.3cm 128P


写真家、長沢慎一郎による、小笠原諸島の知られざる歴史とそれを宿す人々を静かに物語る写真集。


「俺たちはアメリカ人でも日本人でもない小笠原人だ!」 南スタンリー
We aren't Americans. We aren't Japanese. We are Bonin Islanders!
Stanley Minami


東京から南に100キロ、世界自然遺産に登録されている小笠原諸島父島。かつて無人島だったこの島は、幾つかの歴史の転換点を経ることになる。1830年、5人の欧米人と20人のカナカ人が初めて入植したが、1873年に正式に日本領土とされ彼らは帰化することになった。日本からの入植はすぐに始まり、彼らは欧米系先住民と呼ばれるようになる。やがて、第二次大戦時に島は要塞化し、全島民は本土に強制疎開させられた。終戦後はアメリカ海軍の占領下に置かれたが、GHQが帰島を許したのは欧米系先住民だけであった。占領は1968年まで23年間つづき、彼らはアメリカ文化の中で生活した。日本返還を知らされたのは返還直前だったという。

MUJIN(無人)ーBUNINーBONIN と変化した呼名。占領時代の出生証明書やパスポートにも記載された、「Bonin Islandes 小笠原人」というアイデンティティ。政治に翻弄され、周縁に追いやられていった彼らの歴史を、著者は丹念にリサーチし、ひとりひとりのポートレートと風景写真を13年かけて撮りつづけた。風景はただ美しいだけでなく、島民にとって重要な意味をもつ場でもある。