APARTAMENTO ISSUE #35 Spring/Summer 2025

APARTAMENTO ISSUE #35 Spring/Summer 2025

販売価格: 4,950円(税込)

数量:
24cm×17cm 384P


スペイン発、2008年に創刊した年二回刊行のインテリア雑誌『Apartamento』。

第35号の表紙は、フランス人アーティストであるカミーユ・アンロ(Camille Henrot)が飾り、マンハッタン、アッパー・ウエスト・サイドに位置する自邸で、ベルリンを拠点に活動する美術批評家のエステル・ホイ(Estelle Hoy)と話す様子が写されている。このシュールな風景を撮影したのは、ニューヨークを拠点とするフォトグラファーのヘザー・ステン(Heather Sten)であり、同誌史上最多4度目のカバー・フォトグラファーとなる。アンロの新作映像作品「In the Veins」の公開に先駆け、素晴らしき「日々のケアに繋がる行動」によって形作られる未来を想像し、巻頭特集で語る。

毎号異なるデザインで彩られる本誌背表紙の絵柄は、アメリカ人シンガー・ソングライターであるディートン・クリス・アンソニー(Deaton Chris Anthony)によって描かれたテキストを採用。大きく、そしてホログラムのように輝く文字が目を惹く。イギリスのシンガー・ソングライターであるチャーリー・XCX (Charli XCX) らと行ったコラボレーションへの洞察とともに、アンソニーの別名義での活動の裏話を初めて公開した「admin reveal(※註)」が添えられている。

モロッコ出身の作家、ジャーナリストであり、フェミニスト活動家としても知られるレイラ・スリマニ(Leïla Slimani)は、同じく作家でジャーナリスト、そして詩人、画家でもあるジーナ・カイヤー(Jina Khayyer)とともにパリからリスボンへ移住したことを振り返る。拠点を変えたのは、作家としてフランスで名が知られていることで生じていた制約から逃れるための試みだという。「アーティストにとって、すべてを理解しているような文脈の中で生活するのはよくないこと。」彼女は語る。「自分が全ての規範を持っているようなところでは。」

第二の故郷、グアテマラにて「APARTAMENTO」の呼びかけに応えたのは、アルゼンチン生まれスイス育ちのアーティストであるヴィヴィアン・ズーター(Vivian Suter)だ。2025年6月に「パレ・ド・トーキョー(Palais de Tokyo)」で開催される、ズーターにとってこれまでで最大規模の回顧展「DISCO」に向けた準備を進める中で、その芸術性や、ズーターの「強化され塗り固められた衣服...彼女の鎧」について語られてきた神話を払拭する。

イラン生まれフランス育ち、のちアメリカで活動してきた撮影監督のダリウス・コンジ(Darius Khondji)は「暗黒の王子(Prince of Darkness)」として知られているが、今回、映画プロデューサーでありシナリオライターのジーコ・ジャッジ(Zico Judge)とキャリアを跨いだ貴重な対談を行った。その様子をフォトグラファー、フィルムメーカーであるフランク・ルボン(Frank Lebon)が18ページにおよぶスライドに収め、丁寧にカットして繋ぎ合わせてまとめている。

映画『ロブスター(原題:The Lobster)』、『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(原題:The Killing of a Sacred Deer)』を手がけた脚本家であるエフティミス・フィリップ(Efthimis Filippou)がオリジナル脚本「14 Stout Men」を書き下ろし、即興でお決まりのQ&Aを行う。長年の友人であり共同製作者でもある映画監督のヨルゴス・ランティモス(Yorgos Lanthimos)が撮影を担当している。

デザイナーであるラウル・ロペス(Raul Lopez)は、フォトグラファー、ディレクターであるレネル・メドラノ(Renell Medrano)が住むニューヨークのアパートでポーズを取りながら、作家兼編集者のマイケル・ブロック(Michael Bullock)との対談でファッション界での目覚ましい活躍を振り返る。

スティーヴ・ベイリー(Steve Bailey)によるインタビューでは、アーティストでありライター、スケートボーダーのジョッコ・ウェイランド(Jocko Weyland)が、建築家のケンドリック・バングス・ケロッグ(Kendrick Bangs Kellogg)によって建てられた南カリフォルニアの宇宙船のようなモダニズム建築のような家へと宇宙の旅に出る様子を描いている。

作家のロバート・プランケット(Robert Plunket)を紹介するストーリー「The Divine Art of Living」は、30年ぶりとなる著作を独占取材。文学界における伝説が帰還を遂げる。本誌の編集を務めるノア・T・ブリトン(Noah T. Britton)との対談で、代表作『My Search for Warren Harding』、『Love Junkie』を振り返る。

他にも、フォン・ドディン(Huong Dodinh)、ウェンディー・ホワイトリー(Wendy Whiteley)、カタリーナ・シュローダー(Catherine Schroeder)、チョウ・イールン(Zhou Yilun)、エルナ・アールトネン(Erna Aaltonen)&ハワード・スミス(Howard Smith)、チリー・ゴンザレス(Chilly Gonzales)、ダン・フリードマン(Dan Friedman)を特集。

また、作家であり映画ディレクターのドゥルガ・チュー・ボーズ(Durga Chew-Bose)、『Apartamento』の共同創設者であり写真家、出版者、クリエイティブディレクターのナチョ・アレグレ(Nacho Alegre)、ファッション批評家兼ジャーナリストのチャーリー・ポーター(Charlie Porter)、短編小説家のシルビナ・オカンポ(Silvina Ocampo)- 訳:スザンヌ・ジル・レヴィーン(Suzanne Jill Levine)、映画監督であるリナ・ソウアレム(Lina Soualem)、作家のイーリン・ワン(Yilin Wang)、小説家のネイト・リッペン(Nate Lippens)、小山田浩子 - 訳:デヴィッド・ボイド(David Boyd)による文章を収録する。

※註 ユーザーの信頼性を高めるためなどの理由でソーシャルメディア管理者のアカウントが誰であるかを明らかにする行為を指す言葉