見てみたかった景色 / 中園孔二

見てみたかった景色 / 中園孔二

販売価格: 3,300円(税込)

26cm×18cm  192P


東京藝術大学在学中から注目のアーティストであり、卒業時「アートアワードトーキョー丸の内2012」に選出、小山登美夫賞、オーディエンス賞をダブル受賞し将来を期待されるなか、事故により25歳の若さで逝去した、中園孔二の作品集。

本書は初めての画集として、「中園孔二の世界」への入り口とすべく204点に絞り込み纏めた一冊。独特な作風はとても印象的で、カバージャケットからも分かるように、同空間のなかで様々な要素が手前に奥に、レイヤーのように重なり、浮遊し、一つの世界を創り出す。そして唐突とも言えるような得体の知れないモチーフが次々と現れ、楽しそうに、同時に怪しく、見る者を不可解な物語に引き込んでいく。

「出来上がる表面はバラバラに見えますが、すべて自分の見てみたかった景色です」

という中園の言葉にあるように、本書で掲載した204点においても、驚くほど違う姿の作品が無限に現れてくるような錯覚を覚える。圧倒的な想像力とパワー、そしてそれを一つにする美しい色彩が、誰にも似ていない唯一の絵画世界を生み出した。


―――

(本文掲載 作家のノートより)

この絵が何なのかということを、説明することは基本的にできない。
私は、たった20年少ししか生きていないただの人間です。
絵を描く時には、その絵に置き換えるべき大きな流れのようなものが、
私の外にあって、それを、見つけることができたときに、その流れを、
手を動かしながら、見失わないように、ただ見ていてやるというような立場として、
私は絵の前に立って、絵ができあがるのを、待っているような気持ちでいます。
描かれていく物語は、私が決めるのではありません。

中園孔二