IBM, PAUL RAND’S GRAPHIC STANDARDS MANUAL

IBM, PAUL RAND’S GRAPHIC STANDARDS MANUAL

販売価格: 13,200円(税込)

数量:
32cm×23.5cm 292P+44P



アメリカ人グラフィックデザイナー、ポール・ランド(Paul Rand)が手がけた、アメリカ合衆国に本社を置くテクノロジー関連企業「アイ・ビー・エム(IBM)」社によるグラフィックデザインのマニュアルを記録した作品集のREPRINTED EDITION。

1956年、建築家でありインダストリアルデザイナーのエリオット・ノイズ(Eliot Noyes)は、「IBM」のディレクターに雇用され、製品からコミュニケーション、建築に至るまで、会社全体のデザインを見直すこととなった。それに伴い、グラフィックデザイナーのポール・ランド(Paul Rand)は、社内で使用されるすべてのグラフィック・ドキュメントを定義するために招かれた。こうして、「IBMグラフィック・デザイン・プログラム(IBM Graphic Design Program)」の核となる、20世紀で最も記憶に残るグラフィックデザインのプロジェクトがスタートした。

ポール・ランドは「IBM」の様々なロゴタイプを制作したが、1972年、層状に重ねられた線で構成された、我々が最も目にするバージョンで結実した。社名である「International Business Machines Corporation」から由来する3つの文字「IBM」のロゴは世界中ですぐに認知された。8本の棒状のラインで構成されたこの象徴的なロゴは、今もなお使われ続けている。

1960年代から1980年代にかけて、グラフィックのルールと使用方法は文書化され、セクションごとに整理されたフォルダーの中で定期的に更新された。そこには、ロゴタイプやグラフィック、タイポグラフィのルール、社内用、社外用の文書のデザイン、看板などの表示、建築への応用において正しく表現されるための指示が記載されている。この文書が存在することにより、同社のグラフィック・サインが一貫性をもって扱われ、様々な取引において効率的に話し合うことを可能にした。今日、このフォルダーは極めて象徴的であり、希少であり、かつほとんど文書化されていなかったため、グラフィックデザイナーや学生、そしてこのシンボリックな存在である同社が歩んできた冒険譚に興味を持つすべての人が手に取れ、流通できることこそが重要なポイントであろう。

グラフィック・デザインの基準や規格が何度も更新されたことを考えると、我々が参照した「IBM」の規範が載るさまざまなフォルダーは、その内容がそれぞれ大きく異なっていただろう。

このフォルダーに収められた歴代の文書とその発展を再現、出版することで、20年以上にわたって同社によって成し遂げられ、積み重ねられてきた仕事が、可能な限り広いヴィジョンにおいてもたらされることとなる。

「IBM」ニューヨーク本社のアーカイブ・チームと、パリの「ジョルジュ・ポンピドゥー国立芸術文化センター(Centre national d’art et de culture Georges Pompidou (CNAC-GP)」内の美術研究者専門閉架図書館「カンディンスキー・ライブラリー(The Kandinsky Library)」が共同で制作しており、本プロジェクトは、ポール・ランドの法定相続人と「IBM」の承認のもと取り組まれている。

本書は、版元である「EMPIRE」により、2017年にクラウドファンディングプラットフォーム「Kickstarter」にてプロジェクトがスタートし、2018年に刊行が実現した一冊である。