中国1981-1982 / 秋山亮二 Ryoji Akiyama
25cm×19.5cm 140P
写真集『你好⼩朋友DEAR OLD DAYS 三部作』『遇見』を経て発表された、写真家、秋山亮二による写真集。
本作は1981年から1982年にかけて撮影された写真の中の未発表作品から、視点を“⼦ども”に限定せず、秋⼭亮⼆という写真家がシャッターを切ったその瞬間をただ純粋に⾒つめ直し、新たなセレクトで編まれた一冊。
1980年代初頭の中国。それは⻑い冬を越えた⼤地に、ようやく春の兆しが訪れたかのような時代でした。この写真集に写し出されているのは、改⾰開放政策が始まり、どこか希望を帯びた柔らかな光が感じられる当時の街の表情です。⼿描き⽂字の看板、⾚い公衆電話、⼆⼋⾃転⾞(28インチの⼤型⾃転⾞)で街を颯爽と駆け抜ける若者たち、穏やかに往来する藍⾊の⼈⺠服を着た⼈々。1枚1枚の写真から、まるで時代そのものが⽬覚め、⽣き⽣きとよみがえってくるかのようです。朝の霧、舗道に舞い上がる埃、陽光に⼲された⾐類、あの時代特有のそれらの匂いまでが画⾯から⽴ちのぼり、若者の⾃信に満ちた顔つきには、⽂学作品のなかで語られる情熱的な80年代の息吹も伝わってきます。
過去と未来のちょうど狭間にありながら、確かに新しい時代への⼀歩を踏み出そうとしていた、そんな中国の⼒強くも美しい瞬間の数々を、秋⼭は彼ならではの視点と秀逸な構図で、⽣き⽣きと捉えていました。前時代の⾯影を残す素朴な都市の光景、慎ましく誠実に⽣きる⼈々の姿。それらは中国の⼈々に限らず、現代に⽣きる多くの⼈の⼼にそっと寄り添い、失われた何かを優しく呼び覚ましてくれます。
秋山 亮二 Ryoji Akiyama
1942年⽣まれ。東京都出⾝。⽗は写真家の秋⼭⻘磁(1905-1978)。早稲⽥⼤学⽂学部卒業後、AP 通信、朝⽇新聞社写真部を経てフリーの写真家に。インドの飢餓や離島の過疎化などフォトジャーナリストの視点から積極的に取材、発表。その後、深瀬昌久、森⼭⼤道らとともにニューヨーク近代美術館の「New Japanese Photography」など国際展に参加。個展「Ryoji Akiyama Photography」(ライス⼤学、ヒューストン) も開催。主には6×6 版の⼆眼レフで⼈々の⽣活を撮影。ニューヨーク、インドネシア、中国など「旅する者の視点」から対象を淡々と捉えた作品を発表し、独⾃の世界観を構築した。作品はニューヨーク近代美術館、東京都写真美術館、宮城県⽴美術館、呉市⽴美術館、川崎市市⺠ミュージアム、⻘森県⽴美術館などに収蔵。作品集に『津軽·聊爾先⽣⾏状記』(津軽書房)、『ニューヨーク通信』(牧⽔社)、『楢川村』(朝⽇新聞社)、『奈良』(游⼈⼯房) など。翻訳書に『アメリカの世紀1900-1910/20 世紀の夜明け』(⻄武タイム)、エッセイ集に『扇⼦のケムリ』(法曹会) がある。1983年発⾏の写真集『你好⼩朋友-中国の⼦供達』の復刻版が2019年に⻘⾋堂より出版。同作品は未発表作品によってシリーズ化され、続編『光景宛如昨』、最終章『往事成追憶』、別冊『遇⾒』(すべて⻘⾋堂)が2020年から2023年にわたって出版された。
写真集『你好⼩朋友DEAR OLD DAYS 三部作』『遇見』を経て発表された、写真家、秋山亮二による写真集。
本作は1981年から1982年にかけて撮影された写真の中の未発表作品から、視点を“⼦ども”に限定せず、秋⼭亮⼆という写真家がシャッターを切ったその瞬間をただ純粋に⾒つめ直し、新たなセレクトで編まれた一冊。
1980年代初頭の中国。それは⻑い冬を越えた⼤地に、ようやく春の兆しが訪れたかのような時代でした。この写真集に写し出されているのは、改⾰開放政策が始まり、どこか希望を帯びた柔らかな光が感じられる当時の街の表情です。⼿描き⽂字の看板、⾚い公衆電話、⼆⼋⾃転⾞(28インチの⼤型⾃転⾞)で街を颯爽と駆け抜ける若者たち、穏やかに往来する藍⾊の⼈⺠服を着た⼈々。1枚1枚の写真から、まるで時代そのものが⽬覚め、⽣き⽣きとよみがえってくるかのようです。朝の霧、舗道に舞い上がる埃、陽光に⼲された⾐類、あの時代特有のそれらの匂いまでが画⾯から⽴ちのぼり、若者の⾃信に満ちた顔つきには、⽂学作品のなかで語られる情熱的な80年代の息吹も伝わってきます。
過去と未来のちょうど狭間にありながら、確かに新しい時代への⼀歩を踏み出そうとしていた、そんな中国の⼒強くも美しい瞬間の数々を、秋⼭は彼ならではの視点と秀逸な構図で、⽣き⽣きと捉えていました。前時代の⾯影を残す素朴な都市の光景、慎ましく誠実に⽣きる⼈々の姿。それらは中国の⼈々に限らず、現代に⽣きる多くの⼈の⼼にそっと寄り添い、失われた何かを優しく呼び覚ましてくれます。
秋山 亮二 Ryoji Akiyama
1942年⽣まれ。東京都出⾝。⽗は写真家の秋⼭⻘磁(1905-1978)。早稲⽥⼤学⽂学部卒業後、AP 通信、朝⽇新聞社写真部を経てフリーの写真家に。インドの飢餓や離島の過疎化などフォトジャーナリストの視点から積極的に取材、発表。その後、深瀬昌久、森⼭⼤道らとともにニューヨーク近代美術館の「New Japanese Photography」など国際展に参加。個展「Ryoji Akiyama Photography」(ライス⼤学、ヒューストン) も開催。主には6×6 版の⼆眼レフで⼈々の⽣活を撮影。ニューヨーク、インドネシア、中国など「旅する者の視点」から対象を淡々と捉えた作品を発表し、独⾃の世界観を構築した。作品はニューヨーク近代美術館、東京都写真美術館、宮城県⽴美術館、呉市⽴美術館、川崎市市⺠ミュージアム、⻘森県⽴美術館などに収蔵。作品集に『津軽·聊爾先⽣⾏状記』(津軽書房)、『ニューヨーク通信』(牧⽔社)、『楢川村』(朝⽇新聞社)、『奈良』(游⼈⼯房) など。翻訳書に『アメリカの世紀1900-1910/20 世紀の夜明け』(⻄武タイム)、エッセイ集に『扇⼦のケムリ』(法曹会) がある。1983年発⾏の写真集『你好⼩朋友-中国の⼦供達』の復刻版が2019年に⻘⾋堂より出版。同作品は未発表作品によってシリーズ化され、続編『光景宛如昨』、最終章『往事成追憶』、別冊『遇⾒』(すべて⻘⾋堂)が2020年から2023年にわたって出版された。