new map from another country / Suguru RYUZAKI 龍崎俊
29.7cm×21cm 36P
東京を拠点に活動している写真家、龍崎俊によるPHOTO ZINE。
夜の首都高を走る助手席の窓からは、マンションの一室にだけ付いた灯りが見えた。
僕にとって、大都市の中にある最小単位のその光にはリアリティが無かった。
そもそも、そこに人は住んでいるのか。
その人間はどのような生活をしているのか―。
ふと、子供の頃は週末になると決まって家族で首都高をドライブしながら都心へと出ていたことを思い出す。首都高の柵を隔てて見える、まるで彗星の尾のように歪んだ東京タワーは異世界への入り口を彷彿させたものだった。
その時。
眺めていたそのマンションのベランダに男が出てきた。
タバコに火を付けようとしていた男の影は、あっという間にビル群の中に埋もれて消えていった。
その一瞬の現実は、まるでどこか見知らぬ土地から送られてきた真新しい地図を広げるような感覚だった。
東京を拠点に活動している写真家、龍崎俊によるPHOTO ZINE。
夜の首都高を走る助手席の窓からは、マンションの一室にだけ付いた灯りが見えた。
僕にとって、大都市の中にある最小単位のその光にはリアリティが無かった。
そもそも、そこに人は住んでいるのか。
その人間はどのような生活をしているのか―。
ふと、子供の頃は週末になると決まって家族で首都高をドライブしながら都心へと出ていたことを思い出す。首都高の柵を隔てて見える、まるで彗星の尾のように歪んだ東京タワーは異世界への入り口を彷彿させたものだった。
その時。
眺めていたそのマンションのベランダに男が出てきた。
タバコに火を付けようとしていた男の影は、あっという間にビル群の中に埋もれて消えていった。
その一瞬の現実は、まるでどこか見知らぬ土地から送られてきた真新しい地図を広げるような感覚だった。