14.5cm×10cm 20P
万年筆で壁に文章を刻み、ロイヤルブルーインクによる淡い風景を浮かび上がらせてきた美術作家・伊藤正人による短編小説。
美術の活動と並行して書かれてきた小説作品は、ひとと風景が寄り添いあい、あるいはひとに宿る記憶を青々しく引き揚げようとする風景であるという。
ドイツに住む友人・ヤーコのアトリエをたずねたぎんこ。冬の光がすんと差し込む部屋でのひとときは、ぎんこにとって脆く儚い記憶となって沈んでいく。
個展「物語りの塒」(於:colonbboks)のための書き下ろし作品。