世界はうつくしいと / 長田弘
21cm×15cm 104P
詩人、長田弘による、ますます自在な詩法、深く緩やかな言葉で綴られた、静かに心をつないでゆく、寛ぎのときのための詩集。
『世界はうつくしいと』は、そう言っていいなら、寛ぎのときのための詩集である。寛ぎは、試みの安らぎであるとともに、「倫理的な力」ももっている。「寛ぎとはありとあらゆるヒロイズムを進んで失うこと」(ロラン・バルト)であるからだ。二十七篇の詩は、六年の日月をかけ、季節が一つめぐってくる毎に一つずつ、目の前の風景のなかにひそむ消滅点を一つずつ、じぶんの指で確かめるようにして、ゆっくり書き継がれた。
――「あとがき」より
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うつくしいものの話をしよう。
いつからだろう。ふと気がつくと、うつくしいということばを
ためらわず口にすることを、誰もしなくなった。
そうしてわたしたちの会話は貧しくなった。
うつくしいものをうつくしいと言おう。
「世界はうつくしいと」より
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詩人、長田弘による、ますます自在な詩法、深く緩やかな言葉で綴られた、静かに心をつないでゆく、寛ぎのときのための詩集。
『世界はうつくしいと』は、そう言っていいなら、寛ぎのときのための詩集である。寛ぎは、試みの安らぎであるとともに、「倫理的な力」ももっている。「寛ぎとはありとあらゆるヒロイズムを進んで失うこと」(ロラン・バルト)であるからだ。二十七篇の詩は、六年の日月をかけ、季節が一つめぐってくる毎に一つずつ、目の前の風景のなかにひそむ消滅点を一つずつ、じぶんの指で確かめるようにして、ゆっくり書き継がれた。
――「あとがき」より
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うつくしいものの話をしよう。
いつからだろう。ふと気がつくと、うつくしいということばを
ためらわず口にすることを、誰もしなくなった。
そうしてわたしたちの会話は貧しくなった。
うつくしいものをうつくしいと言おう。
「世界はうつくしいと」より
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