心は胸のふくらみの中 / 菊竹胡乃美
19cm×13cm 120P
女性の身体で、女性として生きていく中で抱える戸惑いやおそれ、寄る辺なさ、哀しみ、ままならない不条理を詠んだ、菊竹胡乃美による歌集。
トロの吐露リスのリスクたわしのわたし掬ってほしい救ってほしい
無意識に出た涙をせきとめるぼくは君のおむつになりたい
愛はお金お金は愛じゃないけれど津波のようなパトロンが欲しい
素敵なことと思う友達の妊娠は知らない国の夜明けみたいな
冷や麦をゆでる八月平和とはわたしでいること家系図途絶えて
女の子を好きなぼくに好きだと言う男の子をなでるぼくの手のひら
賃金のすくなさ自転車を漕ぐちから肉まんふたつ分のおっぱい
独身のからだでどこまで行けるだろうずっと遠洋の漁船の灯り
涙、傷、痛み、女の身体をもつこと。今生きていること全部載せ。
正直でラフでせつなくて、作者を好きになってしまう。
────飯田有子(歌人)
日常のたしかな憤りとときどきの喜びが、
「わたし」の人生を祝福するように歌われていました。
────和田彩花(アイドル)
女性の身体で、女性として生きていく中で抱える戸惑いやおそれ、寄る辺なさ、哀しみ、ままならない不条理を詠んだ、菊竹胡乃美による歌集。
トロの吐露リスのリスクたわしのわたし掬ってほしい救ってほしい
無意識に出た涙をせきとめるぼくは君のおむつになりたい
愛はお金お金は愛じゃないけれど津波のようなパトロンが欲しい
素敵なことと思う友達の妊娠は知らない国の夜明けみたいな
冷や麦をゆでる八月平和とはわたしでいること家系図途絶えて
女の子を好きなぼくに好きだと言う男の子をなでるぼくの手のひら
賃金のすくなさ自転車を漕ぐちから肉まんふたつ分のおっぱい
独身のからだでどこまで行けるだろうずっと遠洋の漁船の灯り
涙、傷、痛み、女の身体をもつこと。今生きていること全部載せ。
正直でラフでせつなくて、作者を好きになってしまう。
────飯田有子(歌人)
日常のたしかな憤りとときどきの喜びが、
「わたし」の人生を祝福するように歌われていました。
────和田彩花(アイドル)