標準時 / 佐クマサトシ

標準時 / 佐クマサトシ

販売価格: 1,980円(税込)

数量:
19cm×13cm 144P


寡作でありながら作品を発表するたび強い印象を残し、新世代の歌人として最注目の佐クマサトシによる待望の第一歌集。
2011年短歌研究新人賞最終候補作となった表題作、書き下ろし作品を含む235首を収録。

起動したばかりの画面。デフォルトの状態。テストパターン。本当は何も書きたくないのに、〈私〉がやってきて、指がクリックする。スイッチがONになる。0が1になる。オブジェクトが生まれる。大袈裟だと思う。短歌を詠むだなんて。(著者あとがきより)


〈収録作品より〉

真夜中にアナウンサーが喋るからそれを流して過ごす真夜中

僕たちの恋の終わりや始まりのまさにその瞬間にCM

バスタオルきれいにたたむ 空港に住所があるのを認められない

AならばBでありかつBならばAであるとき あれは彗星?

問い合わせが殺到したという曲を僕だって何回も聞いていた

2.で「はい」と答えた方にお聞きします。いいえと答えたのでとばします

Googleのロゴで初めて名前を知った科学者だがその業績は素晴らしい

晩年は神秘主義へと陥った僕のほうから伝えておくね

クリスマス・ソングが好きだ クリスマス・ソングが好きだというのは嘘だ

本当に大事なものはいつだって名前 それが二つある犬

本日の放送は終了しました。私はまだ、考え事をしています