Gertrud / Maja Daniels

28.4cm×23cm 168P
900部限定


スウェーデンを拠点に活躍する写真家、Maja Daniels（マーヤ・ダニエルズ）による写真集。


1667年、スウェーデンのエルヴダレンで、12歳の少女ゲルトルート・スヴェンスドッターが水の上を歩いたとして告発された。この出来事は、スウェーデンの魔女狩りの始まりとなり、エルヴダレンとその近隣地域では、集団ヒステリーと恐怖の時代となった。魔女裁判は、現在では「Det stora oväsendet（大騒動）」と呼ばれ、8年間で300人以上の命を奪った。何世紀も経った今でも、現代の感覚ではほとんど理解できないこれらの出来事は、スウェーデンの歴史の中で最も不気味で暗い時代のひとつと見なされている。

祖母からこの話を聞いて育ったマーヤ・ダニエルズは、写真を使ってこれらの出来事の歴史と神話を再構成した。

本作の写真のほとんどは、マーヤ・ダニエルズが森に介入して制作したものだ。風景、登場人物、お守りのようなオブジェを駆使して、彼女は「世界を再び魅惑したい」というシュルレアリスムの願望を引き出した。森林の価値を単なる「資源」へと貶める現代の見方に反発して、彼女の作品は森林を再び物語、神話、魔法の場所として蘇らせる。


「このシリーズの中で、私は写真を神話を作るためのツールとして使っている。神話は解釈の余地があるが、完全に固定されることはない。写真も同じように機能する。イメージに表現されるものの核心は、目に見えないもの、あるいはその無言の連想のどこかにある。」
（Maja Daniels）