声影記 / 小原奈実
18cm×12cm 196P
第56回角川短歌賞次席に輝いた新鋭歌人・小原奈実による待望の第一歌集。
2008年の10代、20代、2021年まで製作した304首を収録。
天空の光といのちの声が交差する情景、声を彫り言葉の影から、静謐な美が映し出される。
(収録歌より)
カーテンに鳥の影はやし速かりしのちつくづくと白きカーテン
灯さずにゐる室内に雷させば雷が彫りたる一瞬の壜
読み終へし手紙ふたたび畳む夜ひとの折たる折り目のままに
脚ほそく触れたる面せきれいの重量ほどに砂緊まりたり
道はいづくも地の傷なれば都市よりも道をほろぼすこと難からむ
秒針の音をりをりにかへりきて聴覚は時の傍に座せり
夕立ののち明るめるひとときを地は箔押しのごとく濡れてあり
第56回角川短歌賞次席に輝いた新鋭歌人・小原奈実による待望の第一歌集。
2008年の10代、20代、2021年まで製作した304首を収録。
天空の光といのちの声が交差する情景、声を彫り言葉の影から、静謐な美が映し出される。
(収録歌より)
カーテンに鳥の影はやし速かりしのちつくづくと白きカーテン
灯さずにゐる室内に雷させば雷が彫りたる一瞬の壜
読み終へし手紙ふたたび畳む夜ひとの折たる折り目のままに
脚ほそく触れたる面せきれいの重量ほどに砂緊まりたり
道はいづくも地の傷なれば都市よりも道をほろぼすこと難からむ
秒針の音をりをりにかへりきて聴覚は時の傍に座せり
夕立ののち明るめるひとときを地は箔押しのごとく濡れてあり