書かずにいられない味がある: 100年前の韓食文学 / イ・サン

書かずにいられない味がある: 100年前の韓食文学 / イ・サン

販売価格: 2,200円(税込)

数量:
19cm×13cm 244P


プルコギや冷麺がソウルで日常的に食べられるようになったのは、今からたった約百年前のこと。地方や海外の味が流入し、外食店が増え、朝鮮半島の食文化が大きく変貌していった時代でもある。本書は、今から約100年前の朝鮮半島で書かれた小説や随筆、ルポを集めた「食の文学アンソロジー」です。

冷麺、粥、酒、スープ――そこに描かれるのは豪華な料理ではなく、日々を生き抜くための切実な「味」。貧しさや喜び、家族への思い、社会の変化までもが、食べ物を通して立ち上がってきます。
読むほどに、料理は記憶であり、言葉であり、生きる証なのだと気づかされる一冊。


●訳者解説より

すべての作品に共通する内容として、人々の食にかけるひたむきな姿勢があげられる。植民地下の厳しく、貧しかった時代、食べることは生きることと同義であった。大衆居酒屋でマッコリをあおる姿も、水っぽく薄い粟粥を懸命にすする姿も、病気の妻にソルロンタンを買って帰るため必死に働く姿も、日々を懸命に生きる人たちのリアルな日常である。そこには飽食の時代にあって、ついつい忘れがちな食への原初的な情熱が込められており、読めば読むほどに調理技術を超えた「味わい」が伝わってくる。
訳者としての立場ではあるが、一読者としても満腹度の高い一冊であった。

――コリアン・フード・コラムニスト 八田靖史