北海道 / 田川基成

北海道 / 田川基成

販売価格: 6,600円(税込)

数量:
21.6cm×27.6cm 180P


写真家・田川基成が18歳から24歳までを過ごした地、北海道を撮影した写真集。

北海道という領域の成り立ちと現在いま、時間の層を巡るロードトリップ。

かつて目の前の自然のみに向けられていた視線は、上京ののちに生まれた距離──「異郷であり、同時に第二の故郷でもあるような」感覚を通して、この土地に刻まれた歴史背景を含むようになっていった。

明治2年(1869年)、アイヌ民族が先住していたこの島は「北海道」と改称され、同じく植民地から成立したアメリカ合衆国をモデルに、急速な入植と近代化が推し進められた。屯田兵の入植にはじまり、日清・日露・第一次世界大戦と呼応するかたちで内地からの累計200万人を超える移民が続いた。
終戦期には東京大空襲などの戦災者や、樺太・満州など外地からの引き揚げ者も受け入れ、戦後はさらなる開拓と経済発展の道を歩んできた。こうして「北海道」が形づくられてから、150年以上の時間が流れ、現在の風景の基層を形づくっている。

写真家となって約10年、前作『見果てぬ海』(日本写真協会新人賞受賞)で故郷・長崎の海を漂った写真家は、西の海の移動と並行するかのように、北の地上を歩き続けてきた。北海道で生活をしていた21年前と比べ、その旅の中で変わったもの、変わらないものがあった。
「北海道」とは一体どんな土地なのか── 全道を巡り続けるロードトリップの途上で出会った人々の肖像、土地に刻まれた痕跡、そして自身の記憶と向き合いながら、立ち現れる光景を中判フィルムに収めていった。

いま目の前に広がる風景は、自然と開発、記憶と歴史、個人的時間と近代という長い時間の交差点にある。
その重なりのなかに現れる北海道を見つめ、現在と時間の層を静かに浮かびあがらせる写真集。