たった一人の読者を生きる / 荒井裕樹
19cm×13cm 222P
ロングセラー『まとまらない言葉を生きる』を著した「声の小さな文学者」荒井裕樹が新たに綴るのは、これまで語られてこなかった「たった一人の読者を生きる」という経験について。小さな「自分」を守ることで、誰かとつながる12の内緒話。
“ここで私が話したいのは、もっと小さくて、些細で、身近で、時には儚いものについてなんです。(中略)世界的なマスターピースよりも、親しい人の打ち明け話のほうが大事になってしまったり、友だちが出したぜんぜん売れない自主制作本のほうにより感動してしまったり、なんてことは、誰にでも、多かれ少なかれ、あると思うんです。/これって、実はすごいことなんじゃないですかね。自分の心だけを打つものがこの世界に瞬間的に誕生しているというか、どうしようもなく自分の心を打つものがどうしようもないくらい自分以外の人に知られてないっていうか、そんな現象が発生しているということなので。/この現象、取り立てて研究なんてされないですけど、けっこう大事なものだと思うんです、人間にとって。/なんというか、人って自分でも気が付かないうちに、たった一人の読者を生きている瞬間があると思うんです。”
(「はじめに」)
こちらの感情や心を動員するための言葉や映像が氾濫する社会の潮流に、気づかぬうちに吞み込まれてしまわぬように、自分にとって本当に大切な「物語」について語ること、そのための居場所をつくること。そうやって大切な領域を守ることができてはじめて、私たちはきっと、ほかの誰かが大切にする「物語」のことも大切にできるのではないでしょうか。
ロングセラー『まとまらない言葉を生きる』を著した「声の小さな文学者」荒井裕樹が新たに綴るのは、これまで語られてこなかった「たった一人の読者を生きる」という経験について。小さな「自分」を守ることで、誰かとつながる12の内緒話。
“ここで私が話したいのは、もっと小さくて、些細で、身近で、時には儚いものについてなんです。(中略)世界的なマスターピースよりも、親しい人の打ち明け話のほうが大事になってしまったり、友だちが出したぜんぜん売れない自主制作本のほうにより感動してしまったり、なんてことは、誰にでも、多かれ少なかれ、あると思うんです。/これって、実はすごいことなんじゃないですかね。自分の心だけを打つものがこの世界に瞬間的に誕生しているというか、どうしようもなく自分の心を打つものがどうしようもないくらい自分以外の人に知られてないっていうか、そんな現象が発生しているということなので。/この現象、取り立てて研究なんてされないですけど、けっこう大事なものだと思うんです、人間にとって。/なんというか、人って自分でも気が付かないうちに、たった一人の読者を生きている瞬間があると思うんです。”
(「はじめに」)
こちらの感情や心を動員するための言葉や映像が氾濫する社会の潮流に、気づかぬうちに吞み込まれてしまわぬように、自分にとって本当に大切な「物語」について語ること、そのための居場所をつくること。そうやって大切な領域を守ることができてはじめて、私たちはきっと、ほかの誰かが大切にする「物語」のことも大切にできるのではないでしょうか。
