KISSA BY KISSA 路上と喫茶ー僕が日本を歩いて旅する理由 / クレイグ・モド

KISSA BY KISSA 路上と喫茶ー僕が日本を歩いて旅する理由 / クレイグ・モド

販売価格: 2,500円(税込)

数量:
18cm×13cm 160P

アメリカ出身、日本在住の作家、クレイグ・モドが日本のあちこちを歩きながら綴ったエッセイ集。

東京から京都を結ぶ、全長一千キロの旧中山道を徒歩で歩いた。東海道を歩いた。熊野古道を、伊勢路を、歩いた。いつも一人で。郊外の寂れた町々、農村、パチンコ・ロード、そして喫茶店と人びととの会話。失われゆく日本の姿を写真とテキスト、そしてたくさんのコーヒーとピザ・トーストとともに文化考現学的視点で捉えた、まったくあたらしいロード・エッセイ。

---

すべての長距離ウォークとは、結局のところ、世の中のおかしなことや馬鹿げた政治世界への抗議運動である。道を歩いているとき人は、目の前に広がるありのままの世界と対峙することになる。そこには抽象的なものなどひとつもない。注意を怠らずにいれば、一マイル、一マイルを身体で感じられるし、自分の目の前に「社会の姿」が立ち上がってくる。

喫茶店から喫茶店へと足を運び、アメリカンを飲み、ピザトーストを食べ、自分の中にこの喫茶店巡りの歌が、こだまのように響いているような気がする。それがなんの歌かはわからない。どれくらい歌が続くのかも不明だ。でも、この歌の響きと、喫茶店の存在そのものが、僕の気持ちをつなぎとめていた。