Flowers Drink the River / Pia-Paulina Guilmoth

21.5cm×17cm 144P
2nd edition

ジェンダー、儀式、階級、異和感、陶酔感、美、土地との関係について考える作品を制作しているアーティスト、Pia-Paulina Guilmoth（ピア・パウリナ・ギルモス）による作品集。

本作では、メイン州の田舎町にある小さなコミュニティで撮影しながら、ピアが性転換してからの最初の2年間と、保守的な小さな町でトランス女性として生きることの美しさと恐ろしさを描いている。蛾や浮遊するクモの糸、泥まみれの体の絡み合い、燃え盛る家、木の枝から小便をかけあう女友達、夜行性の動物、陶酔的な儀式などのシーンがフラッシュに彩られた風景を彩る。

月の下で、人、動物、土地の境界線は和らぎ、曖昧になる。Flowers Drink the River』は、美、抵抗、安全、そして魔法を、しばしば欠落しがちな世界に求めるアニミスティックな作品である。農村の労働者階級の人々、トランス女性、レズビアン、クィアピープル、メイン州中央部の裏山へのラブ・ノートだ。ピアは、手の届きそうで届かないユートピアを創り出す中で、美と居場所を見つける。

ピアの写真は、忍耐強い共同創造から始まる。彼女はクモの糸や花、その他の自然素材から繊細な彫刻を作り、土地や水、風、光、あるいは迷い込んだ蛾が、予測不可能な方法でそれらと相互作用し始めるのを待つ。時には、何晩もかけて慎重に動物たちとの信頼関係を築くという形をとることもある。

「8月の1週間、私は毎晩、果樹園の裏のダニに覆われた背の高い草むらに座り、ギリースーツを着て、片手にリンゴをつぶしたトレイを持ち、もう片方の手には4×5カメラに取り付けた30フィートの即席シャッターケーブルを持った。翌週の火曜日、私は初めてHRTのカウンセリングを受けることになる。この場所で安全に移行する方法はないとわかっていながら、この先数カ月、数年にわたって変化していく自分の体を隠すこともできないとわかっていながら、私はこのことを秘密にしていた。」
Pia-Paulina Guilmoth


表紙には、ピアが自宅近くの廃屋で見つけた、年季の入ったピンクのクラフト紙が使われている。彼女は川沿いで見つけたクモの巣に赤い顔料をまぶして紙に貼り付けた。その上に布のネームプレートが付けられ、中表紙には彼女がバスルームで作った4x5インチのコンタクトプリントの複製が貼られている。