編集の明暗 / 津野海太郎

編集の明暗 / 津野海太郎

販売価格: 2,420円(税込)

数量:
19cm×13cm 288P

話題作『編集の提案』の衝撃再び。2025年の世界を問うアンソロジー。

出版社・晶文社での活動をはじめ、出版文化の重要人物でありつづけ、テント 演劇の時代からコンピュータの世紀までを駆け抜けてきた著者による、過去を携え、現在と共に呼吸し、未来を見すえる“編集者以外の人のための”編集論。

伝説の編集者・津野海太郎が約半世紀の間に綴った文章が、なぜ“現在“に響くのか。津野のテクストを集めた話題のアンソロジー『編集の提案』(2022)を経て、単行本未収録多数の本書は新機軸。
鶴見俊輔的「まちがい主義」、テント演劇からインターネットまでをまたぐ「運動」、編集という仕事をめぐる自他への問いかけが、時代の暗雲を照らす。


【目次】
・第1章 まちがいを重ねる
そのまちがいがだれにでもわかるようなしかたで

ニベもない/スタイルに凝る人/生涯「まちがい主義」の徒/マチガイ主義がわかりにくかった時代/「使用目的」という罠/ウィキペディアとマチガイ主義

・第2章 実際主義と原則主義
あたえられた条件を決定的なものとしてとらえない

男たちが知らない本/料理書の哲学/羽仁もと子と家計簿──私のこころの原風景

・第3章 「別のやり方」を探す 勘弁してくれ。
一つの時代には一つの愉しみ方(愉しませ方)しかないというわけでもないだろう

ちょっとキワどいな/店頭の哲学/小さなモノの売り買いについて/移動劇場のための広告/この門を入るものは一切の商品性をすてよ

・第4章 矛盾を矛盾のままに
「アイテムとアイテムの間のすき間を主体の意味でうめない」

編集者としての小野二郎/晶文社の小野二郎/チャイナ・メン史ひとこま/ブローティガン発見

・第5章 本の終り・本のはじまり
文字はいちど死んだ。そして何百年かたったあとに、ふたたび生まれてくる。そのとき文字は以前あった文字とは別のものになっている

大人のインターネット/少数派難民でも自由に本がだせる/編集者がつくりたい本をつくる/開放された書棚の人/PはプラトンのP──演劇ぎらいの演劇/レイ・ブラッドベリ再読/目次癖

・あとがきにかわるインタビュー  津野海太郎×宮田文久

・編者による後記

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動いている思想。たったいまポケットから取り出されたかのような津野さんの言葉は、どこまでも具体的かつ実践的だ。
だからこそ、時を超えて読む者の感性をひらくのだと思う。

──伊藤亜紗(美学者)