瀬戸一洋 / 星空のピルグリム

瀬戸一洋 / 星空のピルグリム

販売価格: 2,970円(税込)

数量:
19cm×14.8cm 176P


写真家として長年星空を見つめてきた瀬戸一洋が、オリオン座、ケフェウス座、うさぎ座──夜空に名づけられた88星座を道標に、人間の記憶や時間の層を辿る詩集。

神話、科学、少年期の記憶、父の背中、母のミシンの音、滅びた狼、甘やかされた苺──。天空の配置図に重ねられるのは、個人的でありながら同時に普遍的な物語です。

星座は古代の神話であり、航海の道標であり、国家や英雄の象徴でもありました。しかし瀬戸のまなざしは、それらを遠い寓話にはとどめません。英雄の最期も、文明の進歩も、家庭のささやかな記憶も、すべては同じ夜空の下で静かに交差しています。

暗闇から浮かび上がる星雲や月面、古城や石列にかかる彗星。その光は時間を超えて言葉に奥行きを与えます。さらに、写真に撮れない南天の星座は、画家・泉イネにより繊細に息づく絵が添えられています。望遠鏡や八分儀、羅針盤といった器具を冠する星座は、人類が星を測り、意味を与えようとしてきた営みを静かに示すかのようです。

星座とは、無数の点を線で結ぶことで生まれる物語。
この詩集もまた、散らばった記憶を結び直す試みなのかもしれません。

夜空を見上げるとき、私たちひとりひとりは孤独でありながら、同時に、誰かと同じ星を見ています。その静かな確信を、瀬戸一洋は言葉と光で描き出しています。