あしたの孵化 / 辻聡之
19cm×13cm 164P
名古屋市在住の歌人、辻聡之による第一歌集。
「生きること」への戸惑いや不安を抱えながらも、健気に生を肯定する優しい作品たち。読んでいると安堵感を覚えます。
吾輩は猫ではないし名もあるが猫ならきみに飼われたかった
花冷えにトリートメントのしみわたる髪の先まで生きなくてはね
もう雨は秋の匂いで、すれちがう、身体もいつか更地になるよ
たのしいと思う気持ちが静電気めいて近づくたびにはじける
神様を信じなくてもかまわない暮らしのなかで大吉を引く
うまく生きるとは何だろう突風に揉まるる蝶の翅の確かさ
名古屋市在住の歌人、辻聡之による第一歌集。
「生きること」への戸惑いや不安を抱えながらも、健気に生を肯定する優しい作品たち。読んでいると安堵感を覚えます。
吾輩は猫ではないし名もあるが猫ならきみに飼われたかった
花冷えにトリートメントのしみわたる髪の先まで生きなくてはね
もう雨は秋の匂いで、すれちがう、身体もいつか更地になるよ
たのしいと思う気持ちが静電気めいて近づくたびにはじける
神様を信じなくてもかまわない暮らしのなかで大吉を引く
うまく生きるとは何だろう突風に揉まるる蝶の翅の確かさ