柴犬二匹でサイクロン / 大前粟生

柴犬二匹でサイクロン / 大前粟生

販売価格: 1,870円(税込)

19cm×13cm 144P


『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』『おもろい以外いらんねん』『きみだからさびしい』などで知られる作家、大前粟生による初めての短歌集。

小説を書いて生きていく中で忘れてしまいがちな自分自身の「時間や生活、体だったりを、言葉でもって取り戻すため」(本書「あとがき」より)に詠んだ歌、約230首を収録しています。



【収録歌より】

お互いにワンパンし合う関係で倒れた場所を花園とせよ

この痣を月に結んで大丈夫とびひざげりの妄想をする

棺桶に詰められるならパフェに似た佇まいでと約束の夏

ポカリスエット突然に目減りして光の代わりに光が入る

晩年はふいに浮上すたとえば鳥たとえば歌の途中で焦げて

ほがらかな血液の流れ悲しみは取り除けないからめぐらしてみる