時をこえて ひと針のゆくえ / アナイス・ボーリュー(作)、 青木恵都(訳)
35cm×23cm 40P
フランスの現代刺繍作家、アナイス・ボーリューによる、黒いビニールのごみ袋の上から、絶滅危惧の植物の刺繍を施した作品集。
作者は西アフリカを訪れた際、無数の黒いビニールのごみ袋が道端の木々を覆い尽くしている異様な光景を目にし、衝撃を受けたといいます。刺繍作家として、自分には何ができるのだろう――。そうして今回の作品は生まれました。
利便性を追求して作られた素材と、失われつつある植物と繊細な手仕事の美しさのギャップに驚きつつ、けれど、もしくはこれはある種の共生、なのかもしれません。
祖母や母から教わり、代々受け継がれていった刺繍の技術。
ぽいっと捨てたそれが、土に還るまでの途方もない時間。
ある植物が消滅し、あたらしい植物が生まれてくるまで。
作家がさした、ひと針ひと針に想いを馳せる時、そうした、私たちの人生によりはるかに長い時間のことを感じます。
『動いている庭』の著者、ジル・クレマンによる序文も必読です。
本文はオフセット印刷でありながら、表紙には、実際に刺繍が施された黒いビニールが張り付けられた見たことのない造本。是非、実物を手に取ってその手ざわりを確かめていただきたい一冊です。
『夜の木』でおなじみのタムラ堂さんからのリリース。南インドの小さな出版社Tarabooks(タラ・ブックス)作品の邦訳です。
フランスの現代刺繍作家、アナイス・ボーリューによる、黒いビニールのごみ袋の上から、絶滅危惧の植物の刺繍を施した作品集。
作者は西アフリカを訪れた際、無数の黒いビニールのごみ袋が道端の木々を覆い尽くしている異様な光景を目にし、衝撃を受けたといいます。刺繍作家として、自分には何ができるのだろう――。そうして今回の作品は生まれました。
利便性を追求して作られた素材と、失われつつある植物と繊細な手仕事の美しさのギャップに驚きつつ、けれど、もしくはこれはある種の共生、なのかもしれません。
祖母や母から教わり、代々受け継がれていった刺繍の技術。
ぽいっと捨てたそれが、土に還るまでの途方もない時間。
ある植物が消滅し、あたらしい植物が生まれてくるまで。
作家がさした、ひと針ひと針に想いを馳せる時、そうした、私たちの人生によりはるかに長い時間のことを感じます。
『動いている庭』の著者、ジル・クレマンによる序文も必読です。
本文はオフセット印刷でありながら、表紙には、実際に刺繍が施された黒いビニールが張り付けられた見たことのない造本。是非、実物を手に取ってその手ざわりを確かめていただきたい一冊です。
『夜の木』でおなじみのタムラ堂さんからのリリース。南インドの小さな出版社Tarabooks(タラ・ブックス)作品の邦訳です。