ふつうの未来 / 越智友亮

ふつうの未来 / 越智友亮

販売価格: 1,980円(税込)

数量:
19cm×13cm 146P


若手俳句アンソロジー『新撰21』『天の川銀河発電所 Born after 1968 現代俳句ガイドブック』でも軽やかな口語俳句で注目を集めた著者、待望の第一句集。

みずみずしい青春時代から、大人になった「未来」への変遷を鮮やかに描きだす230句。


ゆず湯の柚子つついて恋を今している

よく、どさっと俳句が届いたものだった。私は簡単に、いいわね、などとは言わなかった。ダメ出しを繰り返した。彼はめげなかった。
――池田澄子


〈収録句より〉
冬の金魚家は安全だと思う

思い出せば思い出多し春の風邪

いい風や刈られてつつじらしくなる

コーラの氷を最後には噛む大丈夫

ひこばえや喉は言葉を覚えている

肝臓の仕事思えば金亀虫

きりぎりす眠くても手紙は書くよ

さくらさくら吸う息に疫病居るか

風光る消毒疲れなる指に

枇杷の花ふつうの未来だといいな