水中で口笛 / 工藤玲音

水中で口笛 / 工藤玲音

販売価格: 1,870円(税込)

19cm×13cm 208P


再入荷しました。


「くどうれいん」名義で『わたしを空腹にしないほうがいい』『うたうおばけ』などのエッセイや小説作品『氷柱の声』など、作家として活躍する著者、待望の第一歌集。

天性のあかるさとポエジーをあわせ持つ歌の数々は、まるで光そのもののように読み手を照らし出す。16歳の時より書き続けてきた短歌作品から、厳選316首を収録。



〈収録短歌より〉

水中では懺悔も口笛もあぶく やまめのようにきみはふりむく

ガーベラもダリアも花と呼ぶきみがコスモスだけはコスモスと呼ぶ

杏露酒と発声すれば美しい鳥呼ぶみたい おいでシンルチュ

噛めるひかり啜れるひかり飲めるひかり祈りのように盛岡冷麵

ハムカツをげんきに頼むハムカツをげんきに頼むわたしを頼む

無言でもいいよ、ずっと 東北に休符のような雪ふりつもる

うどん茹でる わたしを褒めるひとびとを哀れに思う夕暮れもある

またいつか狂うのかもね押し花になっていらない栞の四つ葉