微塵聖像 DUST ICON / 馮君藍 Stanley Fung
29cm×21.5cm 116P
プリント付
ヴェルベット張りハードカバー
台湾で牧師をしながら写真家として作品を制作している馮君藍(Stanley Fung)による初の写真集。
彼の教会に集まる信者たちをモデルにしたポートレート『微塵聖像』シリーズをまとめた本作には、98点の心揺さぶる肖像が収められています。
馮君藍は幼少時から親しんできた美術や写真に関連する仕事に携わった後に、牧師になりました。同じく牧師であった父親が遺した臨終の言葉がきっかけでした。それは「神との約束を果たすべきだといつ感じるか。それがいつであろうと、決して遅すぎることはない」というものです。若い頃、彼は自らも伝道者になると誓いを立てたことがあったのです。そして父親が癌で亡くなった後、2年の苦悩の時期を経て、35歳で神学校に進む決心をしました。神学校における約8年の学びの中で、彼は生前の父親の姿や訓戒の数々を思い浮かべ、また父子関係が睦まじかったとは言い難いことを後悔しました。そして台北の士林にある教会を、小さく温かい美術空間とし、カメラを手に取り、聖書の物語をモチーフに、彼の元に集まる信徒たちをモデルに『微塵聖像』シリーズの創作を始めました。
もっと早くに父親を理解すべきだったと悔いた馮君藍は、アートという⼿法で父親との約束を実践しています。
作品の大部分は、20年間愛用しているニコンFM2、標準レンズ、反射板、遮光布、そして自然光が入る大きな窓という簡素な条件下で撮られています。そして彼が写真という形式で写し出すのは、聖書特有の人間観です。それは無秩序な霊長類としての人間ではなく、欲望に駆られた自律的な主体でもなく、道具を使う文化的な動物でもありません。それらは光によって照らされた微粒子であり、物質と霊的なものとが混ざり合った存在です。
「自分の仕事は伝道者。写真は趣味の⼀つに過ぎない」と馮君藍が語る一方、著名な中国人画家の陳丹青氏はこの作品集を「神の視点で人を⾒ることで、人の中に神性を見出している」と評価しています。それは馮君藍自身が語った、以下の⾔葉にも通じています。
「私たちがどう信じるかが、私たちが何を見るかを決定するのです」
馮君藍Stanley Fung
1961年香港生まれ(祖籍は広東省の鶴山)。1964年に宣教師の父親に従い家族で台湾に移住、教会の開拓に参加。1974年に洗礼を受けキリスト教徒となる。1979年に台北の協和工商職業学校に入学し美術を学ぶ。18歳から35歳まで美術設計や広告業界で働き、2003年に台湾神学院で神学修士号取得。2008年に中国基督教礼賢会の牧師に任命。牧師業務の傍ら写真作品や絵画も制作。『微塵聖像』の他に『道在万物』『互為肢體』『草芥』『草書』『道在瓦甓』『骨中骨』『⼀台戲景』『風雨聖殿山』などのシリーズ作品がある。作品は台湾だけでなくパリ、ニューヨーク、ボストン、上海、北京、瀋陽、深圳、ソウル、東京、⼤阪、ロンドンなどで展⽰され、いくつかの写真賞を受賞。美術館やプライベートコレクションなどにも収蔵されている。
プリント付
ヴェルベット張りハードカバー
台湾で牧師をしながら写真家として作品を制作している馮君藍(Stanley Fung)による初の写真集。
彼の教会に集まる信者たちをモデルにしたポートレート『微塵聖像』シリーズをまとめた本作には、98点の心揺さぶる肖像が収められています。
馮君藍は幼少時から親しんできた美術や写真に関連する仕事に携わった後に、牧師になりました。同じく牧師であった父親が遺した臨終の言葉がきっかけでした。それは「神との約束を果たすべきだといつ感じるか。それがいつであろうと、決して遅すぎることはない」というものです。若い頃、彼は自らも伝道者になると誓いを立てたことがあったのです。そして父親が癌で亡くなった後、2年の苦悩の時期を経て、35歳で神学校に進む決心をしました。神学校における約8年の学びの中で、彼は生前の父親の姿や訓戒の数々を思い浮かべ、また父子関係が睦まじかったとは言い難いことを後悔しました。そして台北の士林にある教会を、小さく温かい美術空間とし、カメラを手に取り、聖書の物語をモチーフに、彼の元に集まる信徒たちをモデルに『微塵聖像』シリーズの創作を始めました。
もっと早くに父親を理解すべきだったと悔いた馮君藍は、アートという⼿法で父親との約束を実践しています。
作品の大部分は、20年間愛用しているニコンFM2、標準レンズ、反射板、遮光布、そして自然光が入る大きな窓という簡素な条件下で撮られています。そして彼が写真という形式で写し出すのは、聖書特有の人間観です。それは無秩序な霊長類としての人間ではなく、欲望に駆られた自律的な主体でもなく、道具を使う文化的な動物でもありません。それらは光によって照らされた微粒子であり、物質と霊的なものとが混ざり合った存在です。
「自分の仕事は伝道者。写真は趣味の⼀つに過ぎない」と馮君藍が語る一方、著名な中国人画家の陳丹青氏はこの作品集を「神の視点で人を⾒ることで、人の中に神性を見出している」と評価しています。それは馮君藍自身が語った、以下の⾔葉にも通じています。
「私たちがどう信じるかが、私たちが何を見るかを決定するのです」
馮君藍Stanley Fung
1961年香港生まれ(祖籍は広東省の鶴山)。1964年に宣教師の父親に従い家族で台湾に移住、教会の開拓に参加。1974年に洗礼を受けキリスト教徒となる。1979年に台北の協和工商職業学校に入学し美術を学ぶ。18歳から35歳まで美術設計や広告業界で働き、2003年に台湾神学院で神学修士号取得。2008年に中国基督教礼賢会の牧師に任命。牧師業務の傍ら写真作品や絵画も制作。『微塵聖像』の他に『道在万物』『互為肢體』『草芥』『草書』『道在瓦甓』『骨中骨』『⼀台戲景』『風雨聖殿山』などのシリーズ作品がある。作品は台湾だけでなくパリ、ニューヨーク、ボストン、上海、北京、瀋陽、深圳、ソウル、東京、⼤阪、ロンドンなどで展⽰され、いくつかの写真賞を受賞。美術館やプライベートコレクションなどにも収蔵されている。