使えないスプーン / 竹俣勇壱

使えないスプーン / 竹俣勇壱

販売価格: 7,700円(税込)

数量:
26cm×15cm 224P
限定2000部


ジュエリー、生活道具、茶道具の制作を手掛ける金工作家、彫金師の竹俣勇壱が、坂田和實が欧州でこつこつ買い集めた中世のカトラリーからなる辰澤コレクションをベースに、自身の蒐集物を加え、合計74点のカトラリーを収録したコレクション・ブック。

工芸研究家の辰澤速夫による『カトラリーの宇宙』(ラトルズ刊・2002年)のオマージュ、続編として作られた本書。それぞれのカトラリーの合間には、ブリューゲルやボスやモネたちが描いた「カトラリーの登場する絵画」を継木し、中勘助や伊丹十三やジャック・プレヴェールたちが残したカトラリーの言葉を併記。

巻末に付した「解説」には、竹俣が執念深く、海外のさまざまな資料にあたりながら探りあてた数々の発見が綴られている。

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700年前に使われていたスプーンで、オランダの川底から発掘されたらしい。美術的な価値はほとんどないし、実用の役目もずいぶん前に終えている。このような錆びれて、朽ち果て、もう使えないスプーンやナイフがぼくの手元にはたくさんある。もともとは、つくり方を知るための資料だった。
(竹俣勇壱)

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このコレクションは、これから真摯に工芸の道を歩もうとしている若い人たちに、美しさの基準とは何なのかという大切な問題を考えさせ、又製作上で悩み、迷う人たちをその崖っ淵から救い上げ、多くの人たちに物を作る楽しみや、物を蒐集する喜びを教えてくれることだけは間違いないだろう。
(坂田和實)