歌集 いらっしゃい / 山川藍
19cm×13cm 192P
2010年から2017年までに詠んだ463首を収録した、歌人・山川藍の第一歌集。
緩やかな生活の変化のなかに滲む悲哀をユーモラスに描いた連作。
「天国に行くよ」と兄が猫に言う 無職は本当に黙ってて
なんだあのカップル十五分もおる「あーん」じゃないよ あとで真似しよ
履歴書の写真がどう見ても菩薩いちど手を合わせて封筒へ
その昼はパンと饂飩を食べながら腹八分目あたりで泣いた
壊れないねじに生まれて金属の板を繋いで感謝されたい
うちにはもう猫は一匹しかいない撫ですぎないですり減るからね
山川さんの短歌は、誰かが実感を言葉にするだけで我々は生きていけるということを、すごい速さで再確認させてくれる。
(_津村記久子)
2010年から2017年までに詠んだ463首を収録した、歌人・山川藍の第一歌集。
緩やかな生活の変化のなかに滲む悲哀をユーモラスに描いた連作。
「天国に行くよ」と兄が猫に言う 無職は本当に黙ってて
なんだあのカップル十五分もおる「あーん」じゃないよ あとで真似しよ
履歴書の写真がどう見ても菩薩いちど手を合わせて封筒へ
その昼はパンと饂飩を食べながら腹八分目あたりで泣いた
壊れないねじに生まれて金属の板を繋いで感謝されたい
うちにはもう猫は一匹しかいない撫ですぎないですり減るからね
山川さんの短歌は、誰かが実感を言葉にするだけで我々は生きていけるということを、すごい速さで再確認させてくれる。
(_津村記久子)