エリカについて / 小野絵里華

エリカについて / 小野絵里華

販売価格: 2,200円(税込)

19cm×13cm 116P

再入荷しました。


ユリイカ新人賞で鮮烈にデビューした詩人、小野絵里華、注目の第一詩集。

夜になると、わたしは言葉をひとつずつ殺していくことに夢中になる。本当には殺さない。睡眠薬を投与していくのだ。ゆるり、骨をなくして。輪郭をなくして。 彼らはどこかに帰っていく。もとあった場所に収まる。せかいの表面はさざ波だ。そんな時、わたしはいつもひとりだ。
「あとがき 喋りすぎた朝」より


朝がくるたび、 わたしたちは生まれる。
苦しみを抱えながら、ただ静かに呼吸している。
生まれてくることは しんどいことだ。
それでも朝焼けがきて、 わたしたちはやわらかな光に包まれている。
今日もせかいは、透明なかなしみがきらめいている。