永遠よりも少し短い日常 / 荻原裕幸

永遠よりも少し短い日常 / 荻原裕幸

販売価格: 2,200円(税込)

数量:
18cm×13cm 144P


現代短歌のニューウェーブを牽引した歌人の一人、荻原裕幸による最新歌集。

読んだ瞬間に情景が立ち上がり、優しさやなんとも言い難い悲哀が、ふっと心の中に染み入ってくるような歌の数々。


わたくしをすべてひろげて丁寧に折りなほす青い鶴となるまで

さみしさはもともとさみしさではなくて蝉の声なき青空を聴く

猫のおしりにアステリスクがあることを照らして月の渡る荒畑

三十三間堂あらたまのああこれは市川春子の線だとおもふ

元は天使なのかも知れぬ亡き父の冬天だけを撮つたアルバム

暁美ほむらが眼鏡をやめた経緯ほど寂しくもなく咲く桐の花

ボールペンが落ちても鞄をひらいてもすべての音が十月である