砂丘律 / 千種創一
文庫判 288P
中東と日本を舞台に、清冽な抒情と巧みな韻律、口語・会話体による音楽性で現代短歌の旗手となった歌人、千種創一による伝説的歌集が待望の文庫化。
アラビアに雪降らぬゆえただ一語ثلج(サルジュ)と呼ばれる雪も氷も
唇の乾きに冬を知ることが、手紙はここで二枚目へ行く
このストールを巻くたびに遭うかなしみの砂漠へ放つ、一羽の鷹を
煙草いりますか、先輩、まだカロリーメイト食って生きてるんすか
手に負えない白馬のような感情がそっちへ駆けていった、すまない
マグカップ落ちてゆくのを見てる人、それは僕で、すでにさびしい顔をしている
図書館も沈んだのかい沿岸に漂う何千という図鑑
どら焼きに指を沈めた、その窪み、世界の新たな空間として
中東と日本を舞台に、清冽な抒情と巧みな韻律、口語・会話体による音楽性で現代短歌の旗手となった歌人、千種創一による伝説的歌集が待望の文庫化。
アラビアに雪降らぬゆえただ一語ثلج(サルジュ)と呼ばれる雪も氷も
唇の乾きに冬を知ることが、手紙はここで二枚目へ行く
このストールを巻くたびに遭うかなしみの砂漠へ放つ、一羽の鷹を
煙草いりますか、先輩、まだカロリーメイト食って生きてるんすか
手に負えない白馬のような感情がそっちへ駆けていった、すまない
マグカップ落ちてゆくのを見てる人、それは僕で、すでにさびしい顔をしている
図書館も沈んだのかい沿岸に漂う何千という図鑑
どら焼きに指を沈めた、その窪み、世界の新たな空間として